エピソード2 “The Cure of Amenhotep”
あらすじ
考古学者のラリー・ベレスフォードの屋敷を訪れたブラウン神父は、ラリーの若き妻、カテリーナの悲鳴を耳にする。カテリーナは、駆け付けたブラウン神父の前で「アメンホテプ」と言い残して息絶える。それは3000年前に死亡し、ベレスフォード博物館に何十年も所蔵されているミイラの名前だった。ラリーの前妻や弟も不可解な事故で他界しており、ミイラの呪いなのか?と謎は深まる。
ネタバレ感想
ベレスフォード博物館で考古学者の〈ウォルター〉と秘書の〈ヴァレリー〉に館内を案内してもらうフェリシア、ブラウン神父、マッカーシー夫人の3人。
そこへ、息子の〈レオ〉とアメリカに講演に行っていて不在だったオーナーの〈ラリー・ベレスフォード〉が、若過ぎる新妻〈カテリーナ〉を連れて突然帰ってきました。
旅先で結婚してきた2人はお祝いをかねたランチにフェリシア達を誘います。
カテリーナが講演を聴きにきたのがきっかけだそうですが、どう見ても考古学に興味があるようには見えないパーティーガール風な女性で、漂わせている野心が凄まじい。狙いは何十年もこの屋敷に保管してあるミイラ『アメンホテプ』の様子。
アメンホテプをシカゴのオリエント研究所に寄付したと聞いて動揺するウォルターとヴァレリー。
カテリーナが今すぐアメンホテプを見せるようせがむので、ラリーの個人コレクションとして保管されっぱなしだったミイラの棺を開けに行くことに。
息子のレオは、呪われているアメンホテプを開けることに反対で、言っても聞かぬ父に対して「最初の妻を亡くしたのにまた死人を出す気か?」と声を荒げております。
最初の妻、つまりはレオの母親のことですか。
発掘の最中に起こった落石に巻き込まれ、担ぎ手と共に命を落としたのだそう。
それでもレオの警告を無視して、棺は開けられてしまうのです。
神父達が帰ろうとしている場面でカテリーナの悲鳴が響き渡り、急いで見に行くと内鍵がかけられていた部屋の中で倒れている彼女の姿が。
脈を確認したウォルターが死亡を確認するも、突然目を開いたカテリーナは「アメン……ホテプ」と言い残して今度こそ息絶えてしまいました。
カテリーナの死があってなお、強い反発を見せるレオを見たブラウン神父は、彼の母親以外にも『呪い』の被害者が居るのではないか?と問うと、ウォルターが重い口を開きます。
ミイラを持ち帰って考古学者の前で中身を公開するはずが、妻に続いて発掘隊員だった弟までが不可解な溺死を遂げてしまったことや、公開予定だった日には当時2歳だったレオも高熱で死にかけたそう。
呼び寄せたエジプト人の司祭に悪魔祓いをさせてミイラも柩に戻し、手付かずになっていたはずが、ここに来てその封印を解いてしまったのです。
検死を終えた警察が再び屋敷に戻ってきて、被害者の首には絞められた痕と、爪には血と皮膚が残っていたので1人ずつ確認して行くと宣言。
観念したレオが1つの真実を打ち明けます。
レオは父親の後妻のカテリーナを愛していたらしく、敷地内で逢引きをするほどの仲だったものの、彼女からは遊びだと冷たくあしらわれていました。腹を立てたレオは首を絞めかけ、カテリーナからの反撃で激しく引っ掻かれていた、と。
真実を話したところでそれが動機にも繋がり、殺してはいないと言っても殺人容疑で手錠をかけられるレオ。
そこでレオを守るように声を上げ、「私が殺しました」と自白するヴァレリー。
案の定レオは、かつて愛人関係だったヴァレリーとの間に生まれた子で、実の母親と隠して成長を見守り続けた我が子を庇っての嘘の自白です。
最初の妻〈イーブリン〉が不妊症で跡継ぎに困っていたラリーは、ヴァレリーが孕ったと知って外国で出産させて子どもを引き取る約束をしていて、出産後も子どもを見守るためにそばにいるというのが唯一の条件だった、と。
検死報告で死因が判明したところ、ヴァレリーの供述した絞殺による窒息死ではない事が確定して大慌てのサリバン警部補。
人妻のわりにお色気担当でもあるレディ・フェリシアは、今やブラウン神父よりも暗躍上手になっております。
サリバン警部補のデスクから検死報告書を盗み見て死因がアトロピンによる毒殺だとブラウン神父に報告。これが決め手となって全ての謎が解けたようです。
カテリーナは強烈な幻覚誘発剤でもあるアトロピンの点眼薬を酒に混ぜられていました。
ミイラと共に宝の山が眠る棺の秘密を知っていて、何としてでも棺が開けられるのを阻止したかったウォルター。
奴隷同然の生活からヴァレリーを救って駆け落ちするという悲願のために、手付かずだった棺の中のお宝を鑑定して既に売り捌いていたウォルターには、2番目の妻が来てしまったせいで棺を触らないようにしていたラリーの気持ちを変えてしまうというのは大誤算だった訳です。
潔いまでに後悔の無さそうなウォルターは真相に近付いてしまったブラウン神父も殴り倒して捨てたミイラの代わりに棺の中へ閉じ込めてしまいました。
ここでもヴァレリーと入れ替わるようにマッカーシー夫人とやってきたフェリシアが冴え渡っていて柩の中で意識を失いつつあったブラウン神父は助け出されます。
殺したはずのブラウン神父の姿を見て、警察の面前で逃げ出し、ボートに飛び乗ってサリバン警部補を撒くヴァレリーでしたが、止まったエンジンをかけ直そうとしてボートから転落。
サリバン警部補の突っ立っている時間の長いことよ(笑)
結局飛び込むのならもっと早く行っても良かったと思うんですけどね……結果的に足を藻に絡め取られて沈んでしまったヴァレリーはサリバン警部補の救助も間に合わず溺死。呪いは本物だったのかもしれません。
レオはこの屋敷を去り、息子が離れて行ってしまった事でもはやどうでも良くなったヴァレリーも頑なに離れることがなかったこの屋敷とラリーを見限ることに。
1人の女性から息子を取り上げた男は、ついにひとりぼっちになったところでブラウン神父から手厳しい説教を受け、ようやく心を入れ替えられたようです。
人が変わったようになったラリーは息子とも和解でき、ヴァレリーもその変化を認めて和やかな空気が流れるようになっています。
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▼次回、エピソード3