エピソード4 “The Sign of the Broken Sword”
あらすじ
戦没者追悼式典に招待されたブラウン神父たち。食事会の席で、折れた剣を手に戦ったクレア大佐の武勇伝に人々は盛り上がるが、酒に酔ったローリングズ少佐がクレア大佐に「あなたは真実を直視できない」とくってかかる。ローリングズ少佐が抱える苦悩をブラウン神父が感じ取る中、博物館に展示してあったクレア大佐の剣が何者かに盗まれたという知らせが届く。その後、剣で胸を刺されて死亡しているローリングズ少佐が発見される。
ネタバレ感想
レディ・フェリシアはあらゆる場面で慈善活動を行っているらしく、連隊への多額な寄付も例外ではありません。
〈セント・クレア大佐〉から戦没者追悼式典に招待されたブラウン神父達。
出迎えの〈デイヴィス特務曹長〉はまだしも、〈グレアム中尉〉はやたらと攻撃的で、客人のお抱え運転手であるシドに対しても「兵役逃れか」と蔑むような態度を隠しもしません。
要注意人物扱いされていた〈ローリングズ少佐〉は食事会が始まった時点で既に酔っており、英雄だと持て囃されているクレア大佐に噛み付きます。
同じ頃、博物館に飾ってあった伝説の剣が盗難被害に遭ったと発覚。
射撃場に移った後もグレアム中尉のシドへの噛み付き方は半端なく、同じく退役軍人として参加していたサリバン警部補まで軍人側について煽っております。
射撃の腕前を競う勝負に乗ったシドですが、軍人vs民間人の戦いにも関わらず互角の引き分けでこれはもはや勝ちと言っていいのでは……?
と、ここでフェリシアのお決まりの悲鳴が。
フェリシアが見たのは盗まれた大佐の剣でひと突きにされたローリングズ少佐の姿でした。
盗難が発覚した12時30分から、ローリングズ少佐の壊れた腕時計が指していた12時43分の間、犯人は盗んだ剣を持っていたはずです。
キッチンで働く若い女性〈シモーヌ〉が手にケガをしているのを目ざとく見つけるブラウン神父。
ダンケルクで父親を亡くした彼女がガラスを破って飾ってあった剣を盗んだ犯人でしょうか。
前任の〈マレー少佐〉が戦死した事でローリングズ少佐が棚ぼた昇進していたというのも気になります。
ローリングズ少佐の部屋に忍び込み、部屋中にあった記事から、彼がダンケルクに執着していたことや、撤退作戦のための囮として敵に差し出された工兵隊の存在が明らかに。
そして、ゴミ箱の中からは丸めて捨てられた告白文の草稿が。
アリバイのない者に行われるグレアム中尉からの尋問が終わって、一人部屋へ帰ろうとする大佐を追いかけたブラウン神父は、他の人間からの死角で数発の威嚇射撃を受けます。
「命が危ないから基地の外に出るように」という警告を完全に無視して、ローリングズ少佐の時計を見せてくれるよう要求したブラウン神父をとうとう独房に入れろと命じたグレアム中尉。
基地内での事件につき、警察と言えど捜査に介入させて貰えなかった立場のサリバン警部補がここで、「言いたくはないが、この神父は頼りになる」と口添えしてくれた瞬間はニヤッとしたしまいました。
おかげで壊れた腕時計を見せて貰えば思った通り。リューズが引いてあり、意図的に時間を合わせたものだったと分かります。
ローリングズ少佐の部屋に入った際、机の上に少佐の時計が置かれていたのを見逃さなかった神父のお手柄です。
12時43分きっかりに陸軍省からの電話を受けていてアリバイが証明されたばかりの大佐は、あまりにもタイミングが良過ぎます。
かつて恋人同士だった大佐の部屋で、本棚の奥から剣の鞘を見つけたフェリシアはこれを報告。
限りなく黒に近いものの、大佐は犯人ではないようで、ローリングズ少佐を死ぬまで悩ませていた、ダンケルクの戦いの前に大佐と少佐の間で起こった何かしらの事件の詳細が欲しいところ。
シドに時間を稼ぐついでにグレアム中尉から話を聞き出すよう託すブラウン神父。
どうやら、大佐と少佐が森から出てきてすぐに出撃命令が下されていた、ということが分かりました。森に入った少佐は2人だったのに対し、出てきたのはローリングズ少佐だけで、森に残された〈マレー少佐〉の殺害を隠蔽するために準備も整っていない状態でドタバタと出撃命令が出た、と。
ここで剣を盗んだ人間の話になり、「剣の件はウェートレスだ」と言った神父にフェリシアは「マレーさんが?」と聞き返し、シモーヌがマレー少佐の娘だったと知る事になるブラウン神父。
何も知らされないままに囮にされて、工兵隊が敵兵に皆殺しにされるような命令は出せないと刃向かったマレー少佐は作戦の邪魔になり、彼を後ろから剣で刺し殺していたクレア大佐。
その一部始終を横で見ていながら隠蔽に協力したローリングズ少佐は罪悪感に苛まれ続け、それをシモーヌに打ち明けていたのです。
全て見抜かれていると悟ったシモーヌはブラウン神父からの問いに正直に答えてくれますが、事件が起きた際には散歩に出ていたと答えます。
デイヴィス特務曹長はシモーヌが食堂に居たと証言しており、2人の証言には矛盾が。
デイヴィスを呼び出してその事実に触れ、口裏合わせができていなかったとズバリ指摘するブラウン神父。
ローリングズからダンケルクでの一連の事件を手紙で告白されていたデイヴィス特務曹長は、大佐に腹を立ててはいたもののローリングズを手にかけておりました。
大佐を告発しなかったのは「連隊の恥になる」からという理由で、戦闘になったらすぐ後方に引っ込む卑怯者の大佐が、戦争が終わってみれば持て囃されており、英雄が必要だったのだと感じた事で口をつぐんだそう。なんとも……なんともだなぁ。
シモーヌに剣を盗ませて、口封じのためローリングズ少佐は始末し、鞘を大佐の宿舎に隠して犯人に仕立て上げたデイヴィス特務曹長。
ここまでやってしまうと、もはやこの人にも同情が出来なくなってくるというか、正義のための行動から大きく外れてしまうんですよね。
ブラウン神父に発砲したのもデイヴィス特務曹長で、ウロチョロされて邪魔だったとか(笑)
戦地で自分がした事もろとも全てを大佐自身が告白した事で、デイヴィス特務曹長はローリングズ少佐殺害容疑で逮捕される事に。
デイヴィスに唆されていたシモーヌは、剣を盗む事で父の仇である大佐の名誉を傷付ける事が目的だったのですね。
それぞれに因果応報が下った後での、厳かな追悼の儀式は重たい雰囲気の中にグッとくるものがありました。
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