エピソード1 “The Menace of Mephistopheles”
あらすじ
ダーリントン邸で殺人事件が起こる。殺害されたのは父親のフィリップで、長男のローレンスが容疑者として逮捕される。ローレンスの寝室から凶器のナイフが見つかったからだ。ローレンスは無実を主張するものの、マロリー警部補は彼を犯人と決めつけて聞く耳を持たない。実はその凶器はマロリーが置いたものだった。
ネタバレ感想
マロリー警部補が凶器を忍ばせて発見を自演する瞬間を目撃してしまったグッドフェロー巡査部長が複雑な表情で押し黙っているシーンからのスタートです。
このお屋敷以前のエピソードで見たことがあるように思いますが気のせいでしょうか?社交ダンスをする盲目の青年が出てくる回でのお屋敷と構造が似ております。
そんなダーリントン邸で〈フィリップ・ダーリントン〉が殺されたと通報が入り、急行したマロリー警部補と巡査部長。
ちょうど巡査部長にマッカーシー夫人からの伝言を持ってきていたブラウン神父も、家族を慰めるため一緒にパトカーに乗せてもらって現場入りしました。
長男の〈ローレンス〉が起きがけに心臓を刺されて動かなくなっている父親を見つけたのだそう。
週末の間、駆け落ちのような新婚旅行で留守にしていたローレンスの妹〈アラベラ〉も夫となった〈チャールズ・ハクストン〉帰ってきました。
皆が2人を出迎えているうちに、昨夜は屋敷の中で被害者と2人きりだったローレンスを犯人だと決めつけたマロリー警部補が彼の部屋に凶器を忍ばせていたわけです。
逮捕したローレンスを厳しく追及するマロリー警部補に耐えかねた巡査部長は、本人に直接ナイフを仕込むところを見てしまったと言いますが、言いがかりをつけるなと怒鳴られてしまいます。今日のマロリー警部補はいつも以上に何かに固執していて動揺も見られますし、とにかくおかしい。
それよりもしれっとシドが居るのは何なのか(笑)シーズン9からまたカムバックということでしょうか?あまりにも普通に食卓に座っているので笑ってしまいました。そもそもバンティも居ませんがここでメインキャスト入れ替わりの交替ですか?
ローレンスに真相究明を約束したブラウン神父は、彼が人目のあるレストランで父親に対して信託財産の所有権を要求して不利な状況を作ってしまったことを後悔していると聞き出します。
そうやって父親に立ち向かう勇気をくれたのは、突如出現した妹の恋人チャールズの影響があったそうです。ハンサムで怪しいよそ者は僅か3ヶ月で家族の中に入り込んで、事件当時にはアラベラとオックスフォードに居てアリバイが完璧過ぎるというのも不審に映ります。
マロリー警部補を案じる巡査部長は警部補の後をつけて、何者からかの電話を受けているところを見たこと、証拠保管室からは繊維と残留物の証拠写真が消えてしまったことをブラウン神父達に打ち明けました。
ブラウン神父、シド、巡査部長でマロリー警部補の自宅を訪ねて踏み込むと、散乱した室内では証拠写真を燃やした跡があり、寝込んでいると言っていた家族は居ません。
何が起こっているのか改めて問いただすと、妻と子供達が連れ去られてしまったのだそう。
パブから帰ったマロリー警部補を待っていたのは、2人組の男に銃を突きつけられた家族で、そのまま家族は目の前で連れ去られてしまい、マロリー警部補は誰にも話さず自宅に残って指示を待て、と命じられていたのです。
翌日居ても立っても居られずに男達の車のナンバーを調べに警察署に行き、オックスフォードで盗まれたものだと分かりますが、帰宅するとまた男が侵入しており警察署に行った事もバレていました。
再度脅された上に、殺人事件が起きたら被害者の息子に罪を被せろと凶器のナイフを置いて行かれてあの行動に走った、と。
シド調べでは、ダラム刑務所に殺人罪で10年服役していた〈ビル〉という厄介な男が3ヶ月前に出所していて、マロリー警部補を脅した男と同じ傷、同じタトゥーなのだそう。ビルと同じ監房には〈ダミアン〉という上品でハンサムな男がおり、この男は金持ちの女を狙う詐欺師、つまりはチャールズの正体ではないか、という話。
元受刑仲間を装ったシドがチャールズことダミアンに近付き、彼を強請って腕時計を手に入れている間にローレンスは釈放。
裁判が終わるまでシドに足止めされていたダミアンには、ローレンスが保釈にならなかったという嘘の結論だけを妻から聞かせて安心させておく算段です。
自分の立場を分かっているのかいないのか、ローレンスは人目につかないよう司祭館に缶詰めにされる事にかなり不満げですが、何にせよあと数時間の我慢だと窘めるブラウン神父。
しかし、大人しくしていられないアル中のローレンスは司祭館を抜け出してパブへ。シドが見つけて連れ戻ろうとするも、現場を見ていたダミアンが車で走り去ってしまいます。
ビルは他人の罪で10何服役したらしく、その件でマロリー警部補に個人的な恨みがありました。
ダミアンからハメられたと報せを受けて逃亡を謀ったビルは銃撃戦の末逮捕され、ようやく目を覚ましたアラベラの強力でダミアンの事も追い詰められましたが、肝心のマロリー警部補の家族の居場所については2人とも口を割ろうとしません。
哀れなマロリー警部補の告解を聞いてやったブラウン神父。
無実のローレンスに罪を被せようとした事も、罪のないマロリー警部補の家族を死に追いやろうとしているのも、ビル自身がされた過ちと同じことをしようとしているとビルを説得しようとしますが、成果は得られず。
しかし、マロリー警部補が機転を利かせて残していた本物の証拠品から監禁場所が飛行場だと分かり、家族は無事に助け出されました。
最後にはしっかりいつものマロリー節が戻ってきており、こうでなくては面白くありません。
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