エピソード7『トラック7 彼女は いなくなった(シーズ・ゴーン)
』“Track 7: She's Gone”
あらすじ
シモーンはバーニーとの関係が深まるにつれて、自分のアイデンティティーを受け入れようと努力する一方、ニューヨークの初期のディスコシーンで自分の声を探す。だがデイジーからの電報で彼女がトラブルに巻き込まれたと思ったシモーンは、全てを投げ出して彼女を助けに向かう。しかし、シモーンが実際に目にしたものは想像と少し違っていた。
ネタバレ感想
時は遡って、2年前のニューヨーク。シモーンがちょうどニューヨークに発った頃です。
シモーンは〈バーニー〉を頼って彼女がDJをするクラブへ。バーニーはシモーンのレコードをアレンジして何度もクラブでかけていたそうで、シモーンは自分の知らないところで大人気となっておりました。
惹かれ合っていた2人はすぐに恋人関係に。ただ、保守的なシモーンは自分達の関係を大っぴらにする事を良しとはしません。
それに対し、バーニーは隠す事を嫌がり、せめてあのクラブでは2人の関係が明るみに出たって大丈夫だと返します。
そして2年の月日が流れ、マイノリティな自分を曝け出せなかったシモーンはその分音楽に自分の全てを込める事で良曲を生み出し、ディスコシーンを席巻するまでに。
そんな折にテディから失踪して音信不通だと聞いていたデイジーから『あなたが必要』というSOSめいた電報が届き、「あの子には私しか居ないのよ」と全てを放り出して旅支度を始めるシモーン。
そんな恋人を見たバーニーも「1人で行かせるわけない」とギリシャのイドラ島まで長旅に同行します。男気が凄まじいですね。
ただ、見つけたデイジーは相変わらずの元気な状態でイラッとくるほど。
結婚するのに親友抜きでは式を挙げられないという事で電報を送りつけたようですが、確信犯でのミスリードに思えます。
唐突に結婚を決めたお相手〈ニッキー・フィッツパトリック〉は王家の血筋の王子様だそうで、面食らう事も多いながら、ギリシャの地で出会う人々は気さくで詩的で皆自由に生きており、シモーンやバーニーも彼らと触れ合う中で得るものは多かったのではないでしょうか。
デイジーはツアーを控えているバンドに戻る気はないと決めている様子で、新聞記事を読んで深く傷ついてバンドに対する心を閉ざしているようです。
そして、ニッキーもまた両親を事故で失って最近まで心を閉ざしていたらしく、そんな素振りを見せなかったとしても、誰でも良かったわけではなく彼に惹かれた理由は、どこか無意識でシンパシーを感じていたからなのかもしれません。
ただ、お互いにとってお互いが悲しみの根本から目を背けるための手段になっているのはやや不健全な感じ。
1ヶ月前にはビリーとの不倫で悩んでいた親友が唐突に出会ったばかりの男と結婚するというのはシモーンでなくても心配になりますが、この結婚は思っているより悪くないというパターンも……?
けれど今のデイジーにとってのこの結婚は逃避そのもの。
デイジーにとって音楽がいかに大切で、ただビリーを怖がっているだけか、そして彼女を大切に思うからこそ今のあなたは自己中のクソ女だと真実を突き付けてギリシャを発つシモーン。
デイジーが全米No. 1のアーティストだと知ったニッキーは、シモーンが言っていた通り戻ってみようと提案。今度はニッキーもついてきてロスでのデイジーを支えてくれるようなので、それがどう転ぶのか。
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▼次回、エピソード8