エピソード5『謝罪なし』“No Apologies”
あらすじ
ますます謎が深まるなか、リーチャーは昔の同僚にも協力を求める。フィンリーは衝撃的な発見をする。
ネタバレ感想
殺されたモリーについては通報だけしてあの場に置き去りにしてきた3人。どこの機関までクライナーの息がかかっているか分からない上に、相手は邪魔者に対して殺しも厭わないとなれば下手に動く方が真相を暴けなくなるのです。
帰り道にリーチャーが気にかけていたあの犬が首を怪我して倒れているのを見つけてまた助けに入り、あまりに動物の扱いが酷い飼い主に1発お見舞いしてやります。今回ばかりは酷過ぎると言って他人の家の犬の鎖を外して車に乗せるフィンリー警部も人情味溢れたところがあるじゃないですか。犬はこのままどうにか面倒を見るのかと思えば施設へ連れて行くというリーチャーの判断は現実的でいかにもな感じ。
銃撃で穴だらけになった前の車の代わりを、これまたハブルの自宅から代車を調達するリーチャー。えらく良い車にアップグレードしました(笑)
ご機嫌な車で警察署に乗り付けたところ、ロスコーが車に書かれた『淫売』という落書きを消している最中で、そのままかっ飛ばして食事中だったKJ達のところへ乱入するリーチャー。こうすれば自分達のところへリーチャーがくると分かっていて騒ぎを起こさせ逮捕させようとする小賢しいKJの策略を見抜いていたのに、わりとそのシナリオ通り暴れてしまいました。
フィンリー警部を伴ってリーチャーを追ってきたロスコー共々、奥から現れたクライナーに目を付けられる事になりそうですが危険じゃないんですかね?
店を出たロスコーのところにはティールから電話がかかってきて、レンタカーの件でロスコーが上げた報告内容と違ってナンバーがない事に気付いたらしく、そんなミスをする警官は置いておけないと電話越しにクビを言い渡されてしまいます。腐敗にまみれた警察署内で脅威になり得そうな人材は排除していこうという分かりやすい動きです。訴訟社会のアメリカでこんなこと罷り通るのかは不明ですが。
ひとまずフィンリー警部がクビの撤回を説得すると申し出て、諦めるつもりなんてサラサラ起こらない3人はジョーのメモの洗い直しをすることにし、リーチャーは更に、ロスコーの親代わりだったグレイが残した銃の箱を見たいと言い出しました。
自殺の1年も前に銃を託すなんて普通はしないという考えから、グレイが何か真実を掴んでいてそれをロスコー本人にすら容易には分からない形で残した可能性を見出したのです。
銃の入っていた箱には案の定仕掛けがあり、出てきたのは小さな鍵。グレイの家には書類棚や金庫はなかったそうで、彼が出入りする場所といえば署と自宅、そして毎週行っていた理髪店です。
行ってみると話は早く、ロスコー以外の誰にも渡すなと言われていたグレイの私物を引っ張り出してきてくれました。そして、もしロスコーがこれを取りに来たら“君を誇りに思うと伝えて欲しい”と言い残していたそうです。
かかっていた南京錠を出てきた鍵で開けると、中からは大量の資料が。
その場でグレイが残した資料を読み解く3人。リーチャーは、クライナーが一度に116頭という半端な数の牛を買っている不自然さに引っ掛かります。そして考えが行き着く先は、やはりクライナーが仕入れていたトラック2台分の多過ぎる飼料のこと。実際、120頭を超えると家族経営から営利農場として申請が必要になるそうで、この微妙な数字はあくまでもギリギリのところでラインを出ないようにしてのものなのでしょう。
納税申告書からは収入に対して支出がやたらと多かったり、田舎町に投資するような財団の割に寄付の数が多過ぎていたり、不自然さはあるものの、数字だけで見れば合法な寄付にしか見えないよう町全体の買収が巧妙に隠されており起訴できる決定打にはなりません。
とにかく偽札とクライナーを結ぶ証拠が欲しいところ。
他にも寂れた田舎町ならいくらでもあるのに何故マーグレイヴなのかと嘆くロスコーに対し、リーチャーは周辺地図を使ってマーグレイヴは偽札の配送拠点に最適なのだと理に適った説明をしてくれます。
そして、ここにきてUSSSの捜査官や警察署長を殺害したり、リーチャーを狙ったりと急に目立つ行動を取り始めた事については、ここ1年取締りを強化していた沿岸警備隊の存在で偽札が国内に入って来ず、海外には在庫が溢れかえった状態になり、バイヤーの要求量を提供できないとなればタダでは済まない、というなりふり構っていられない理由があったのではないかとフィンリー警部が持論を展開。
グレイの死は自殺ではなく殺されたのだと気付いたロスコーはやや取り乱し気味ですが、今の今までその可能性を微塵も考えていなかったのか。検死官のところへ行ってグレイが亡くなった際の写真を見せてもらい頭にあった傷痕について、改めて見直して欲しいと頼んでおります。
調べを済ませたニーグリーと合流したリーチャーは、JWは環境保護庁“EPA”の捜査官〈ジミー・D・ウィルクス〉のことだったと報告を受けております。過去形なのは、自宅で撃たれて死んでいたからで、空き巣と鉢合わせして殺されたということになっているも、空き巣は普通銃を持たないし何も盗まれていない上に、遺体は死後にめった打ちにされていたという点はジョーの時と同じです。
この事件についておかしいと感じたメンフィス警察の〈オコイン〉はFBIへの捜査引継ぎ前の報告書にその通り所見を書いており、連絡してみると『相棒と一緒に情報提供者に引き合わせてやる』とのこと。てっきり消されているかと思いました。
被害者のウィルクスが調べていたのはミシシッピ川の汚染についてで、汚染源についての資料は跡形もなく消えていたというのが気になります。
一番汚染が酷いとされていたチェスターに行き、釣り人から川の汚染の原因は“クラロン化学”が上流から汚染物を垂れ流しにされていたからだという情報を得るリーチャーとニーグリー。
クラロン化学は何年も前に倒産ではなく解散しており、親会社はクライナー工業。川の汚染原因を暴こうとしたウィルクスは消されたのでしょう。
オコイン巡査によれば、情報提供者は下っ端の殺し屋だそうですが、同席した相棒の〈リビドー〉は終わった事件を蒸し返す事に消極的で、「家族もいるのに命を懸けてまでやることじゃない」と怯えた様子。それに対して自分の兄は命懸けで捜査していたと言い放つリーチャー。まぁ、確かに事実ですが(笑)
ストリップクラブに制服姿の警官がいるというのはかなり目立ちそうですが、それはさておき殺し屋に会わせてもらったリーチャーは“ヴァイキング”と呼ばれるよそ者がウィルクスを殺した人間だと聞かされました。
傷痕からグレイはダイヤモンドで殴られたことが分かります。ダイヤモンドと言えばティールの杖ですよ。
怒れるロスコーはそのまま署に殴り込みに行き、文字通りティールに殴りかかってしまいその場ではフィンリー警部に引き離されて連れ出されますが、状況はかなりマズい。
リーチャーの時のように刑務所に入れられて命を狙われるかもしれないので、フィンリー警部はロスコーを隠れさせる町の外のモーテルを手配。
ただ、ピカードから連絡がありシャーリーン達の警護を代わってくれとのことで、どちらにせよ身を隠す必要のあるロスコーがこれを引き受けることに。
いよいよ悠長に調べている時間はないと危機感を募らせたフィンリー警部は、自分が今夜クライナーのオフィスに忍び込んで事件の証拠を捜すという大胆な作戦を提案。
殺し屋から情報を貰って今度はメンフィス署でヴァイキングを調べようとパトカーに同乗させて貰っていたリーチャーとニーグリー。
しかし、怯え切ったリビドーがオコインに銃を向け、そのまま問答の末に撃ち殺してしまいます。後部座席からシートを蹴り上げてパトカーごと川にダイブさせると、リビドーに対して誰に脅されたのか言えと詰め寄るリーチャー。
名前は分からないけれど、訛りがある男に脅された、という情報を得るだけ得ると、わりと無慈悲な選択を迫って本人の意思とは言えそのまま車内に置き去りにして窓ガラスをぶち破って生還する2人。
これ以上は危険だから手を引けと言われてもメンフィスでヴァイキングについて調べると食い下がったニーグリーと、一度マーグレイヴに戻るリーチャーはその場で一旦別れました。
それにしてもフィンリー警部、敵地に忍び込むという時にもスーツなのか(笑)
豪華なオフィスのわりに警備システムを搭載していないガバっぷりが気になるところでしたが、忍び込んだ先に派手に殺されているクライナーを発見してそれどころではありません。
ここにきて真の黒幕が誰なのか分からなくなってきました。
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▼次回、エピソード6