エピソード1『船の積み荷』“Cargo”
あらすじ
ライアンは、ベネズエラが世界中の大国と行った取引について調査を進める。グリーアはロシアでの職を解かれ、ベネズエラにいるライアンと合流。大統領選挙を控えたベネズエラで、２人は再選を狙う現大統領のたくらみに巻き込まれていくのだった。
ネタバレ感想
ロシア連邦のモスクワでは保安局の監視を掻い潜り、情報提供者の〈ペレービン将軍〉に見返りとして息子の分のアメリカ入国ビザを手配し、妻の分に関しては「更に情報をくれるのなら考える」と選択を迫るグリーア。
1ヶ月前、南シナ海へロケットを運んだアルメタ号のスライド写真を見せ、船の所有者であるキプロスの会社“ビマラート社”はロシア政府の御用達で、この船を使って武器を密輸しているはずだ、という話。
ベネズエラ上空では未登録の衛星が確認されており、アルメタ号の船籍番号を渡すと、実情を調べて追跡するよう指示しました。
明らかに体調が悪そうだったグリーアはその後すぐに心臓発作で倒れて、絡んできていた保安局の2人から病院前まで運ばれております。
髭面になり貫禄も増して、すっかり指導側が板についているジャック・ライアン。
シーズン2に入っても未だジャックという名前がしっくりきません。どちらかと言えばライアンの方がピンとくる顔です。
講義の場で、他国の脅威としてあまり票が入らなかったベネズエラこそ、危険なのだと熱弁をふるっております。
世界で最も石油と鉱物を有する国でありながら、ベネズエラが人道的危機に瀕するのは、政権を握ってたった6年で国の経済状況を悪化させた〈レイエス大統領〉の影響で、再選を狙うレイエス大統領の対抗馬〈グローリア・ボナルデ〉を紹介。
87%の高確率で経済破綻に陥るという数字が上がっており、いわば『失敗国家』だと他国の政府関係者に言われるほどにはヤバいのでしょう。
この『失敗国家』に名を連ねるのはイエメン、イラク、シリアと言った穏やかでない国ばかり。有力者による報道規制こそされているものの、ベネズエラがアメリカに向けて新型核ミサイルを発射すれば30分ほどで到達するというのが現実。政府が不安定ならなおさら過激派のチャンスは広がる、というわけです。
講義を聞いていた〈モレノ議員〉から褒められ、家族ぐるみの付き合いらしくサプライズでバースデーパーティーをしてもらうライアン。
こんなに雄弁で明るいキャラでしたっけ？無理して振る舞っている感じがあり、キャシーの霊圧も消えています。結局別れたのでしょうか？
ビジネスに手を出しがちなCIAの同僚からとある資料を受け取ったライアン。
資料が示すのは、ロシアからシリアへ武器が輸送されたであろう事実と、衛星画像からは12時間前に木箱がジャングル内の軍事施設へ運び込まれた様子が伺えます。
話を聞いたモレノ議員の口添えで〈チャピン委員長〉に連絡し、事態を報告。ただ、武器の密輸を裏付ける確証もないのに動けない、と委員会への報告に難色を示されて、「既にベネズエラとアメリカの関係は破綻しているしニュースになる頃には我々は死んでいる。すぐに特別活動課“SAD”を派遣してジャングルでの軍事行為を調査すべきです」と強めに言い返すライアン。あー、そうだったそうだった。こういう男でした。冷静なモレノ議員の後押しのおかげでチャピン委員長も少し考え直したかと思えば、「まずはレイエス大統領に会って箱の中身について尋ねてみるがいい」と絶対に何の解決にもならなさそうな、むしろ状況が悪くなりかねない提案をされるに終わりました。
早速、ベネズエラ出身のモレノ議員はライアンの他にCIA職員の〈ケンナ〉と、警備担当の〈オスカー〉 を伴って到着ベネズエラのカラカス空港に到着。大使の美女〈リサ・カラブレス〉から出迎えられて案内役の〈フィリベルト・ラモス警部〉を紹介されております。物凄い要人が来たかのような警護で道路を走り、逆に狙われそうです。
ミラフローレス宮殿に着くと、〈ウバリ将軍〉との挨拶を済ませていよいよ大統領とご対面。
突然強気でイケイケの姿勢を見せ始めるモレノ議員は大統領相手に抑えた衛星画像を見せて政府絡みなのでは、と尋ねるも無関係だとバッサリ切られ、最終的には圧の掛け合いに。そりゃここで簡単に認められても面食らってしまいますし。
虚血性心疾患と大動脈弁狭窄症を患っていたようで、モスクワという危うい地でいつ倒れてもおかしくない部下を手元に置けるかと支局長からお荷物扱いされて事務に回されたグリーア。
モスクワの宇宙飛行士記念館でペレービン将軍と密会すると、例の衛星はロシアのものではないとのこと。
割り出したアルメタ号の停泊地はカラカスの外港ラ・グアイラだったそうで、衛星を打ち上げた犯人をロシア側もぜひ知りたいから助け合おう、という何とも微妙な提案を受ける流れに。
グリーアがアルメタ号について調べているものはいないかとベネズエラ支局に連絡すると、一件の関連する問い合わせとしてジャック・ライアンの名を聞く事に。いや、そんな偶然あるかーーい。てっきりグリーアが送ってきた資料を調べているのだと思ってましたよ。
お荷物扱いなのをいいことに、すぐさまベネズエラ支局への異動を願い出るグリーア(笑)
ベネズエラで良からぬ仕事を頼まれている謎の男は雇われの殺し屋か何かなのでしょうか？
必要なものだとかで用意してもらった物がソリス倉庫にあるとのことですが、一体何が入っているのか見当もつきません。ほんとに。
一方、バーで飲むライアンはさほど目を奪われるような美女ではないというか、どちらかと言えば美魔女の部類の女性からの熱い視線にニヤけております。キャシーはどうした、キャシーは。
バーにはモレノ議員も遅れて到着した上で、ほとんどストーカーめいているグリーアも居合わせて声を掛けられております。シーズン1でもそれなりに良い上司と部下のタッグにはなっていたけれど、そこまで抜群に仲が良いわけでもない2人なだけに胸熱な再会とはいかないんですよね、かなしいかな(笑)ジャック・リーチャーとフィンリー警部の関係性を見習ってくれ。
ちなみに、モレノ議員はライアンのアフガン時代の指揮官で命の恩人でもある関係だそう。そのよしみでライアンは現在議会の仕事をしているのだとか。グリーアからのラブコールは断って(笑)さすがにCIAは辞めていないので出向的なことなのですかね？
グリーアとライアンは飲みの席でお互いが今捜査中のヤマについて情報を明かし合い、それぞれのまた情報を統合すると衛星と兵器が絡んでいるという新事実に辿り着きました。そして、今後も何か分かり次第情報交換しようと約束をし、そそくさとバーに戻ったライアンのお目当てはなんと先ほどの美魔女〈リナ〉。ナンパするようなキャラだったか？相変わらずキャラ設定がよく分からんライアンです。普段は仏頂面で硬派気取りのくせになにをやってんだか、と小言を言いたくなる雰囲気。
そのまま自分のホテルの部屋にリナを招き入れております。なにやってんだか。血税で外交しに来てるんじゃないのかね？まったく。
しかもこの女、スパイじゃないですか(笑)捜査資料バッチリ見られてますし、盗聴器らしき何かを仕込まれ、脇が甘すぎるというかあんなハニートラップに自分から引っ掛かっていくとは……飛んで火に入るベネズエラのジャック・ライアンであります。
こちらもベネズエラはカラカスに位置するウバリ将軍邸。娘の〈マリア〉が友人達を自宅に呼んで酒にタバコに現大統領批判と自由を満喫しているところに両親が帰ってきて、特に厳格な母〈カッサンドラ〉からすぐに友人達は帰されてしまいました。両親に反発を覚えているマリアはブチ切れ状態ですが、娘に対して冷ややかささえ感じる扱いです。友人の影響もあってますます父親が仕えている大統領のアンチに傾倒するんじゃ。
世論調査ではボナルデが優勢なのが現実だというのに、わざわざやって来たアメリカの議員まで怒らせた大統領には呆れる、と将軍の方も絶対的、盲目的に忠誠心があるわけではない様子。そんな夫を操る妻がこれまたやり手そうな女性なんですなぁ。
カラカス国際病院で標的の警察官を見つけて声をかける謎の男。
翌朝、また迎えの車で無駄に警護されながら移動するライアン達の乗る車は何者かに襲われ、道路に仕込まれていた爆発物が起爆したり、誰が一番の目的かは不明ですが、別の車両に乗っていたラモス警部は敢えて救助活動せずその場を後にしたり、生き残りはスナイパーに狙われるわで情報過多！その上、退避したかと思われた矢先にモレノ議員がスナイパーの餌食に。えぇ！命の恩人かつ重要人物が1話でお亡くなりに……！？
スナイパーはあの殺し屋の男です。昨晩見つけた警察官から母親への医療を見返りに移動ルートでも聞き出したのでしょうか。（追記:後に分かったのですが、あの時の警察官はラモス警部でした。私服だと全く誰だか分かりません。）
ラモス警部が自宅に帰り着くと家族が惨殺されており、ラモス自身も男に狙われますが、愛犬の決死の噛みつきで何とか逃げ出しました。計画を知る者は消すということか。
1話からそんな飛ばさんでも……と思うほど色々詰め込まれておりました。それにしても、モレノ議員がそんなに当て馬的存在だとは……。これではライアンが疫病神のようではないですか。
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▼次回、エピソード2
