エピソード2『悪魔の訪問』“The Devil Himself Visited This Place”
あらすじ
ドーンの捜査によって恐ろしい事実が明らかになる。一方ドーンの息子ケルヴィンは奇妙なビデオテープの音を聞く。
ネタバレ感想
並の人間業とは思えない25箇所もの骨折と聞いてもまだ雑にマルコムの仕業説を主張するマッキニー。いかにもな無能キャラです。
新たな現場で野次馬の中に訳知り顔の男を見つけたドーンが話を聞こうとすると、男は全力でその場から逃げ出します。黒人街の中を「サツが来たぞ」と喚きながら逃げ惑い、同じ黒人同士でも『警察に魂を売った』という言い分で命を狙われかねないような孤立無縁の状態に陥いるドーン。
必死に男を追い詰めた結果、彼は赤ん坊を抱いていて逃げた理由は「怖かったから」とのこと。
そこへ部下を引き連れようやく追いついたマッキニーは発砲こそしなかったものの、ドラッグを隠していると決めてかかり高圧的に家探しを始めたり、窓や鏡を覆うようにかけられたシーツを剥がされて血相を変えて抵抗しようとした〈カーティス〉にやり過ぎなほど暴力を加えたり。白人が黒人を下等と見做して足蹴にする意識が分かりやすく描写されています。
実際に、ベビーベッドを隠れ蓑にしてドラッグを調合していたわけですが。この男が異常に怯えていたものの正体は何で、何を理由にいつから狙われていたのか。
酷い死に方で、麻薬が隠されていた床下に詰め込まれた状態を発見されたカーティスの母親は泣きながら「悪魔の仕業に違いない」と話します。
残忍なやり口からして犯人は同一犯だとしながらもまだマルコムを疑うことをやめないマッキニーな、売人だったカーティスの客だったのだろうと安直過ぎる仮説を立てております。
現場には指紋も血液も毛髪も残されておらず、とても16歳の少年にできる犯行じゃないことなどすぐ分かるでしょうに、分かっていてなおマルコムに罪を被せてしまおうというのか。
連続殺人犯に2人では対応できないから人員を増やしてくれというドーンの主張はもっともですが、世間を騒がせている“ロドニー・キング事件”でただでさえ人手不足だし、ロス市警署長の〈ダリル・ゲイツ〉は今日だけで5回もマスコミの前で話しているのだからこれ以上市民をパニックに陥らせるような情報は公表できないとする課長。要は、市民の安全より警察の体面を保つことの方が重要というわけです。
“ロドニー・キング事件”と言えば、S.W.A.T.でも取り上げられておりました。この時代背景だとそりゃ警察が黒人から目の敵にされてドーンも同胞からあんな扱いを受けるわけです。
話が通じないと考えたドーンは、自らマスコミに連続殺人の情報をタレこんでおり、内容は違えどやっている事はS.W.A.T.のホンドーと似通っております。やはり内部で声を上げるより、外部の報道機関を使って抗おうとなるものなのかもしれません。
神経質なほどの几帳面さがあるケルヴィンもまた、ロドニー・キング事件で少なからず思うところがある様子。そんなケルヴィンを深夜怪奇現象が襲っており、彼もまた付け狙われ始めたということか。負の連鎖が具現化したかのようです。
エドマンドはシングルマザーの〈ロンダ〉からホラー映画で殺人犯の役があると勧められ、殺人者について考えているうちに自我を失ってしまっております。
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▼次回、エピソード3