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海外ドラマ≫≫The Man in the High Castle 高い城の男 シーズン1 1話ネタバレ感想

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エピソード1『新世界』“The New World”

あらすじ

1962年、第2次世界大戦はアメリカの敗北に終わり、国土の東側は大ナチス帝国、西側は日本太平洋合衆国の統治下に置かれた。両国による圧政の最中、違う世界を映し出したフィルムが新たな希望として現れた。妹は姉にそのフィルムを託した直後、殺される。姉はフィルムが自由への鍵となると信じ、謎に包まれた制作者「高い城の男」を捜すことに没頭する。

ネタバレ感想

Amazon originalの『高い城の男』はフィリップ・K・ディックの原作をドラマ化した作品らしく、同じくAmazon originalの『フィリップ・K・ディックのエレクトリックドリームズ』が中々楽しめたので期待大です。

axxi.hatenablog.com

本作は、第二次世界大戦ナチス・ドイツと日本が勝利した世界を舞台とする"歴史改変SF"で、終戦から20年後、両国に支配されたアメリカに暮らす人々を描くとのこと。

つまり第二次世界大戦後の“if”の世界線を描いたパラレルワールドモノみたいな感じなのでしょうが、テーマがテーマだけに敗戦国側のアメリカ視点で日本やドイツをこき下ろすような内容になっているのかな、という予想もできます。SFはSF、創作は創作、と割り切って製作側の演出外の意図まで深読みして憤慨する事なくマルッと楽しめる気概が求められそうです。

あいにく、戦史に詳しいわけでもないので、歴史的考証なんかは出来ませんが逆な素人がどれだけついていけるものなのかという視点で観ていくことにしましょう。

 

Amazon studio presentsとの事ですが、例の如くオープニングから丁寧に作り込まれていて気合い入りまくりな雰囲気。余りに有名なエーデルワイスの選曲には何か意味があるのでしょうか。

時代は1962年、古いアメリカの街並みのところどころにドイツと日本の要素が織り交ぜられているここは、【大ナチス帝国】の“ニューヨーク市”だそう。

至る所に掲げられるハーケンクロイツやどこか薄暗い街中には憲兵がたむろしていたりと閉塞感を生み出しています。

〈ジョー・ブレイク〉は、映画館で密かに名刺を受け取り、裏に書かれた『ラリアット運送』にやって来ました。

どうやら、戦後20年近く経ったなお、かつての自分達の祖国である『自由の国』を取り戻すためレジスタンス活動をしている組織があるそうで、紹介されたラリアット運送も運送業を隠蓑にして自分達を支配するドイツに対して反旗を翻す同志が集まっているようです。

27歳という若者が来たことでラリアット運送を取り仕切る社長の〈ウォレン〉は期待外れ感を露わに足手纏いのお荷物扱いでまともに取り合ってくれませんが、ジョーの方は何やら執念めいた「正義」への想いがあるらしく一先ず雇い入れられる事に。

ジョーに初めて与えられた任務は、帝国を横断し、中立地帯であるキャノン・シティへと荷物を運ぶこと。詳しい事は何も知らされないまま銃を一丁支給されいざトラックへ乗り込んだ矢先に、警察がラリアット運送に踏み込んで来ました。

銃撃戦になりながらもラリアット運送は制圧され、ジョーは早速人一人撃ち殺し慌ててトラックを発進させる羽目に。

捕らえられたレジスタンスはその場で有無を言わさず射殺されるあたり、ナチスホロコーストで知られる冷徹なまでの残酷さが感じられます。

 

場面変わって、合気道の道場で達人並みの腕を見せた〈ジュリアナ・クレイン〉が住むのは、【日本太平洋合衆国】“サンフランシスコ”。

こちらはまた分かりやすくジャポネーゼな感じで、至る所に日本語があって、変な漢字だったり片仮名だったりが使われているという訳ではないものの、日本人からすると自国よりも中華を感じるような、よくある海外視点での日本の見え方がこれでもかと前面に押し出されております。

雰囲気はちょっと違いますが、ベイマックスの舞台も確かこういったコンセプトだったような。

漢方薬屋で妹の〈トルーディ〉と会うのですが、バリバリに死亡フラグを立てて去って行ってしまいました。

二人の母親である〈アン〉は、戦争で夫を失い敵国だった日本に嫌悪感丸出しです。

ジュリアナがバーで落ち合った恋人の〈フランク〉ですが、祖父にユダヤ人を持つバックボーンがあるらしく、ナチス支配下ホロコーストも根絶されていないこの世の中ではそのルーツをひた隠しに暮らしている様子。

友人のエドがバーに現れた事で一旦話を切り上げ、ジュリアナだけが先に帰る事になったのですが、その帰り道路地で焦った様子のトルーディから「希望よ」と何らかの荷物を押し付けられたジュリアナ。

凄い剣幕で逃げるように去って行ったトルーディの向かった先に追い掛けるようにして日本軍っぽい警察グループが慌ただしく走って行き聞こえて来た銃声。

物陰から撃ち殺された妹の遺体と、兵士を指揮する政治家風の男を目撃したジュリアナは急いで自宅へ戻ります。

渡された荷物の中には新聞紙に包まれた映写機のフィルムが。その内容は、大戦中と思われる映像や、米軍がドイツと日本を陥落し勝利を収めた瞬間が刻まれていました。

同棲しているらしいフランクが帰って来てこれを目にすると、反ファシズム映画の製作者だという『高い城の男』の噂を聞いた事があると話します。

目の前に映る光景がフィクションではなく事実だと信じたいジュリアナと、高い城の男の作品は持っているだけでも反逆行為になると言って慌てて片付けるフランク。なんだかジュリアナに寄り添ってはいるフランクも怪しく思えます。

射殺された妹の持ち物には他にもキャノン・シティ行きのバスのチケットが入っており、裏面には“サンライズ食堂”、“12:5”というメモ書きが。

 

日本太平洋合衆国のナチス大使館では、皇太子夫妻の訪問に向けて、ナチス大使と黒縁メガネの〈田上大臣〉による入念な準備が進められています。現実には禁忌とも言えるハーケンクロイツに続き、ナチス式敬礼までもがナチュラルに使用されていて、改めてよくドラマ化出来たな…と思ってしまいます。

ナチス大使が日本人を『つり目』と揶揄するあたり、日本とドイツも友好国でありながらその関係性は表面下でギスギスしており、〈総統ヒトラーは病に侵されて長くないらしく、後継者が同盟関係を続けるかどうかも不安定な問題であるようです。

 

ニューヨーク市にあるライカーズ島刑務所内では、レジスタンスのリーダー、ウォレンに対する拷問が行われており、トラックの行き先を調べていますが、実際には目的地も積み荷の中身も把握しているナチスサイド。

ただただ痛めつけるのが目的かと思いきや、拷問による獄中死に至らせることで、死体を見た仲間のレジスタンス達に、口を割らずに殺されたと思わせることでナチスがトラックの目的地や積み荷の中身を把握しておらず安全だと思い込ませるためだと言うのですからその戦略もやり方も実に恐ろしい。

その頃タイヤのパンクで立ち往生していたジョーは、通りすがりの警官にパンクを直してもらい窮地を切り抜け再出発しております。

病床が足りずに、火曜には末期患者を焼くという近隣の病院が気になり過ぎる…。

 

帝国駅で妹が落ち合うはずだったレジスタンスの仲間に会ったジュリアナは自分が代わりを務めると言い張りキャノン・シティ行きのバスに乗り込みます。

 

ドイツ、日本、アメリカだけでもなんだか要素が多いのにスウェーデンまで絡んでくるのか…と思っていたら、田上大臣が出迎えるスウェーデンの要人に扮したこの男、実はドイツ帝国〈ルドルフ・ウェゲナー大佐〉で、お互いに政府から隠れた密会なのだとか。

ヒトラーが弱りゲッベルスヒムラーが権力争いをしているという国家機密とも言えそうな情報を漏らす大佐。

彼によると二人とも「アメリカの分割統治は間違いだった」と共通認識があるらしく、代替わりすれば躊躇なく爆弾を落として第三次世界大戦待ったなしな状況を懸念しての裏切り行為なわけですか。

 

ジュリアナと同じバスに乗り合わせたおしゃべりおばさん〈ケイティ〉によれば、これから向かう中立地帯ではナチの工作員が蔓延っていて、ここもまた穏やかでない感じです。しかもジュリアナは今ナチスに反旗を翻すレジスタンス活動に片足突っ込んでしまっている状況ですしなおさら危険が付き纏います。

ジョーもいよいよ中立地帯に入るところですが、陸続きの国境を越えるのすら容易ではない厳重な警備体制が。

一旦トラックを降りて積み荷を調べているうちに、新聞紙に包まれたフィルムが。タイトルにはジュリアナが見たのと同じ『イナゴ身重く横たわる』というラベルが貼られています。

急に親しげなおしゃべりおばさんには気を付けなければなりません。うたた寝している隙に荷物を持ち逃げされたジュリアナ。この状況でうたた寝出来るのも、一番大切であろう例のフィルムの入ったカバンを網棚の上に放置するのも、なんだか色々と気が抜け過ぎて大丈夫かと心配になりますが、とにかくフィルムだけは無事でこれからは肌身離さず持っておく事にしたようです。

呑気で向こう見ずなジュリアナが居なくなり、うすうすどこへ行ったか気になりながらも、日本警察の〈木戸〉が部下を引き連れて自宅に捜索へ来た時も偽証罪覚悟の上で誤魔化してくれたフランク。怪しいなんて思ってすみませんでした。

ジュリアナとトルーディは異父姉妹だったらしく、そのトルーディが反逆活動に荷担し射殺された事で彼女の身辺を洗っているようです。

サンシャイン食堂に入るも、ケイティに財布をスラれた事を忘れていたのかいなかったのか、注文しておきながら「払えないの」とやはりどこか気の抜けたジュリアナ。

そりゃないだろうと怒った店主に事が大きくなりかけたところで「俺が払う」と話しかけたのがジョーでした。

お互い相手がブツを持っているとは知らないままに接触した二人。

その頃フランクは早速偽証がバレて警察に捕らえられ、ただでは済まされなさそうな雰囲気ムンムンです。

そしてなんとなんと。ジョーがジュリアナを待たせて電話をかけた相手は「旅は順調かね?バレてないな」とジョーに問います。電話の相手はまさかのナチス親衛隊隊長で、こりゃトラックの行き先も積み荷を把握していたのも、ジョーがいとも簡単にフィルムの隠し場所を探し当てたのも納得です。

切り際には「ハイル・ヒトラー」と唱え、ウォレンが当初懸念していたスパイそのものだったという事でしょうか??

ジョーがナチス側のスパイであれば、トルーディを名乗っているジュリアナがマジヤバですけどどうなるのでしょう。

いやぁ…1話から要素盛り沢山でまず人物と設定の把握だけでもいいところを政治情勢や早くものドンデンがあったり面白い。これは…かなり期待してしまいます。

高い城の男 [ フィリップ・キンドレッド・ディック ]

新世界

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▼次回、エピソード2

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