第9話
あらすじ
バーバラが救急搬送される。髄膜炎と敗血症を引き起こしていると聞かされ、打ちひしがれるトム。意識の戻らないバーバラのそばにいることすら許されず、苦しむトムをフィリスは励ます。 ノンナートゥスではバーバラが戻るまでの間、彼女の担当をみんなで分担することになる。
ネタバレ感想
骨髄炎と敗血症を引き起こしているバーバラは救急搬送されすぐに抗生物質による治療が開始されされますが、感染拡大を防ぐためにしばらくは隔離措置が取られるらしく、夫のトムですら面会する事は出来ません。
比較的新入りのヴァレリーと、バーバラがポプラーに帰って来た時に初対面だったルシルも鎮痛な面持ちですが、何よりバーバラと仲が良く同時期にノンナートゥス・ハウスにやって来てルームメイトでもあったナース・クレインは思った以上にショックが大きい様子。
シーズン4の1、2話でジェニーの後任としてバーバラが、そしてシンシアの後任としてナース・クレインがやって来たんですよね、お懐かしい。
病院のナース〈シスター・グラント〉から面会は出来ないから家に帰るよう言われても、どうしてま離れる事ができずに土砂降りの中病院前に佇むトム。そこにトムを心配したナース・クレインが食べ物と着替えを持って来てくれました。
あまりの熱意にマスクとガウンをつけて少しだけという条件の下、シスター・グラントが面会を許可してくれます。
トムが手を握り話かけていると、なんとバーバラの意識が戻りました。
それでもいつ容態が急変するかとこちらは気が気ではないのですが、連絡を受けたノンナートゥス・ハウスが歓喜に満ちており、皆がバーバラに負担をかけないようナース・クレインの組んだスケジュール通りに短時間のお見舞いをしていく様子はめちゃくちゃ微笑ましい。
ターナー医師の時もそうでしたが、いかにバーバラが同僚や地域住人から愛されているかがよく分かりますし、深刻な危篤状態から回復しただけにこれだけで泣けます。
そしていつまた急変するんじゃないか、というハラハラ感も同時に頭の片隅で考えてしまうんですよね。
バーバラの代打ででルシルが担当したのは、自宅を教会代わりにして居間で祈祷会を開いているという牧師の妻〈パーマー夫人〉です。
ルシルはポプラーに馴染みつつあるものの、それでもやはり黒人差別が残っている部分もあって通っている教会では、聖歌隊に入ってソロパートをもらうも、ルシルが人前で堂々と歌う事を良しとしない人々がいたのだとか。
同じ黒人のパーマー夫人からその祈祷会に誘われるも、かなり気が強いというか、立ち向かう事を忘れない性質のルシルは、葛藤があるようです。
バーバラの容態を知った地域住人達からたくさんの贈り物が届いているのを見て「彼らもよそ者なのにトムとバーバラは幸せね」と決して嫌味ではないのでしょうが、切ない本音を洩らしたルシルの言葉をヴァレリーは聞き逃しません。
何があったのかと聞き、ルシルが教会での一件を話せば「もう行かないで」とパーマー家の祈祷会を勧めたりもしますが…。
最終的にはルシルはパーマー家の祈祷会に参加し、歓迎されながら自分がのびやかに歌える場所を見つける事とはなるのですが、今回は申し訳ないんですけれども、それどころではなくてですね、はい…。
ウェードロック鑑別所でダニによる疥癬が流行ったとの事で呼ばれたターナー医師は、〈マイケル・サンプター〉というティモシーの同じ年の子を診ることに。
家族はおらず、所内でもいじめまがいの挑発を受けているマイケル。
ターナー先生は、腕にためらい傷を持ちながら、妻の名誉を守って戦う姿が気に掛かりシーラに相談しました。
次に診察に行った際には、マイケルから妻〈アリソン〉の話を聞き、彼女の親からは反対されたけれど私生児は嫌だからと仕方なく結婚を認めたという経緯が明かされ、アリソンが身篭っている事が分かります。
バーバラが復帰するまでの即戦力として、シーラがノンナートゥス・ハウスに戻って担当になった〈ウェザリー〉宅。
めちゃくちゃ煩い、いかにも世間体が一番大切です!みたいな母親のウェザリー夫人と、そんな母親にたじたじな娘の方が妊婦なのですが、母親が居なくなると「ウェザリーさん」と呼ぶシーラに対し、「ウェザリー夫人と呼んで」とお願いします。
てっきりウェザリー夫人は母親の方だと思っていたシーラがそう聞くと、「ウェザリーは旧姓で本当はサンプター夫人、未婚だと思われたくない」と返答が。
この娘の方がアリソンで、夫婦揃ってサンプター夫妻を担当する事になるとは。
子供が出来た事で車を盗み捕まったというマイケルの話を聞いて、近い裁判で証言すると掛け合うターナー先生ですが、特例を許すわけにはいかないという理由から断られます。
それでもまあ持ち前の情熱とちょっとした暴走で、ティモシーのスーツを持ち出して貸してやり、裁判にも付き添います。
しかし裁判の日にアリソンが顔を出し、そのまま産気づいた事でターナー医師は彼女に付き添い産院に。
子供は無事に生まれるも現実はそう甘くなく、少年院に送られ三年の刑期が宣告されます。
それでも面会に来てくれた妻と生まれたばかりの息子のために務めを全うして心を入れ替えて新たな人生を歩めそうな雰囲気でした。
敗血症の影響で指3本がひどく損傷しており、自身がこれ以上回復しないと肌で感じてしまったバーバラ。
指を失うと言うことは助産婦生命も絶たれるという事で、幼い頃から助産婦を夢見てきたバーバラにはかなり辛い事のよう。
それでも生きていてさえくれればもうそれでいいから元気にトムの話した田舎での子育てを楽しんで欲しい…と切に願いましたが、深夜に急変したバーバラは駆け付けたトムとフィリスに見守られながら逝ってしまわれました。
あぁ……シーズン1から見て来ましたが、個人的にはこのシーズン7の第9話が群を抜いて涙腺をやられたエピソードでした。ツラい。
Call the Midwife [ Jennifer Wort]
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▼次回、エピソード10